◆ 2023年度・第22回平岡不整脈研究会報告

 第22回平岡不整脈研究会は、令和5年12月9日「KKRホテル熱海」にて対面形式で開催いたしました。参加者は昨年とほぼ同じ56名であった。一般演題は合計14題(症例報告4,研究報告10)、さらに今回は教育講演1題と外部からの特別講演1題のプログラム構成であった。
一般演題発表の表彰は厳正なる審査により、研究賞(平岡賞)は高橋正雄先生(東京都立広尾病院・循環器科)、奨励賞(家坂賞)は田中里奈先生(川口市立医療センター・小児科)、努力賞(桜田賞)は張峻模先生(横須賀共済病院・循環器科)がそれぞれ選ばれ賞金が授与されました。3人の先生方おめでとうございます。
教育講演は大学循環器内科の西村卓郎先生による「New Insight into Scar-related VT〜海外施設での研究の勧め〜」と題して留学での研究成果の出し方と虚血性心室頻拍の伝導遅延部位探索についての経験をお話され、今後海外留学を考えている若手の先生方への有益な講演となった。
今回は久しぶりに学外からの特別講師をお迎えして特別講演を拝聴した。講師は佐賀大学・循環器内科の山口尊則准教授にお願いし、「心房細動・心房心筋症の機序解明を目指してーアブレーションからマルチオミックス解析までー」の演題で、心房細動のカテーテルアブレーションから出発して、心房の線維化は局所的ではなく心房全体に発現することを多数例の心房筋のバイオプシーから形態学的に明らかにし、その原因解明に分子基盤から解き明かそうと広範囲の技術を駆使した積極的な研究過程とその成果を披露していただいた。大変興味のある斬新な研究成果で、質疑応答も活発な議論に終始し大変盛り上がった特別講演となった。
今回の一般演題から教育講演・特別講演を通じて各施設の指導的立場の先生方に加えて若手の先生達からの活発な質疑が交わされたことが非常に印象的であった。その傾向は懇親会の場にも引き継がれ、その後も少人数ではあったが懇親会後も特別講演・講師の山口先生を囲んで宿泊者による情報交換の議論が交わされて有意義な時間を持つことが出来ました。山口先生からも「これまで参加した研究会で最も楽しく、かつ興味のある研究会でした」とコメントをいただきました。
次回・令和6年の第23回の研究会は2024年12月14日(土)に同じ会場にて開催を予定しています。

                           敬具

令和6年1月17日
東京医科歯科大学・名誉教授
平岡 昌和




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